「つくね」の気持ち(後半)

焼鳥大将

2008年11月07日 05:23

[前回までのあらすじ]
寂しがり屋の「つくね」が勇気を持って単身乗り込んだ「二万八千石」!
そこで待っていたのは酒飲大将の執拗な「コネコネ」攻撃!
「コネコネ」を耐えて生まれ変わった「つくね」はいよいよ焼鳥大将との直接対決へ!
はたして「つくね」はどうなるのか!
焼鳥大将とはいったい!
そして「つくね」の運命は!



酒飲大将に「コネコネ」されたオラはそのまま焼鳥大将に渡されるんだな。
そしておもむろに片手で一握り分掴まれると人差し指と親指の間から絞られる様に「ムニュ」っとされるんだな。



「ムニュ」っとされて「ツルン」みたいで何か気持ちいいんだな。
しかも焼鳥大将はほとんど1回でオラを50g前後に分けていくんだな。



もの凄い早さで手から手へ、そしてタッパに並べられて後は注文がくるまでそのまま保管されるんだな。
今串に刺してしまうとその隙間から肉汁とうま味がぬけて形も変わってくるのでまだ串には刺さないんだな。



ん?遠くで誰かが「つくね」を呼んでいるんだな。
さあ!いよいよオラの出番なんだな!
焼鳥大将が素早くオラを平串で刺して形を整えるんだな。



見てくんろ!オラの素晴らしいスタイル!でちょっとポッチャリなところがまたイイんだな。
細すぎると肉汁が出ちゃうし、特に気をつけないといけないのが串の先は出したらダメだし根元の方もしっかりと串に密着させないと隙間からうま味と肉汁が逃げちゃうんだな。



ある秘密の作業をした後とうとう焼き台上なんだな。
塩と胡椒を少しだけ振り火力が強すぎると焦げすぎるし弱すぎると肉汁がなくなるから中火から強火の間位で慎重に全面を焼いていくんだな。



素早く、そして丁寧に転がしながら肉汁を閉じ込めていくんだな。
無理に網から剥がしたり串と肉の間に隙間が出来たり乱暴な扱いをしたらオラはすねてあっという間にしぼんでいくんだな。



おっさすが焼鳥大将なんだな。
オラを上手にふっくらと仕上げていくんだな。
イメージとしてはオラの中にある串の周りがほんの少しだけピンク色を残して後は余熱でやさしく包み込む感じなんだな。
そして完成なんだな。
「二万八千石」では基本は塩焼きで途中で少し特製醤油をかけて香ばしさを出してるんだな。



ぬお~このプリプリぷりちぃ弾力と溢れ出る肉汁!今なんだな!
さあ!オラを呼んだ方、熱いうちにガブリっと···



だぁ~ってやっぱり「酒飲大将」かい!なんだな!
まあいいか、いつも「コネコネ」してもらっているしその分美味しく仕上がると酒飲大将も嬉しさ倍増なんだな。
オラはそれぞれの焼鳥屋の特徴が一番出ると言われているんだな。
そんな自分好みの「つくね」を探して食べあるくのも焼鳥屋の楽しみ方の一つなんだな。
いろんなバリエーションもあるのでよろしくなんだな。
おわり···なんだな。

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